本記事ではLPIC1(Ver4.0)102試験に合格するため『主題108:重要なシステムサービス』について自分が勉強したことをまとめました。
LPIC1(Ver4.0)102試験の出題範囲はLPICのサイト(102試験範囲)に掲示されており、以下の様になっています。
目次
目次
事前準備
1.Linuxの環境を用意する
LPICを勉強する上でLinuxの環境で実際に動かしてみるとよいです。Windows上でも仮想Linux環境を構築すれば簡単にLinuxを動かすことができます。以下にWindows上でubuntuを構築する方法をまとめました。参考にしてください。
2.テキストを購入する
『Linux教科書 LPICレベル1 Version4.0対応』を参考にしながら勉強しました。このテキストにそって重要なところのみピックアップしてまとめているので大元はこちらのテキストを参照してください。
(108.1)システム時刻の保守
クロックに関するコマンド
dateコマンド(システム時刻を表示/設定)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230739/
補足
・rootユーザのみがシステムクロックを変更することができる
・dateコマンドで指定できるタイムゾーンは「-u」,「–u+c」,「–universal」のみ
・「+」で特定書式で時刻表示が可能
「date “+%Y年%M月%D日”」⇒「2018年1月19日」となる
hwclockコマンド(ハードウェア時刻を表示/設定)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230730/
補足
・起動時にはhw clock⇒system clock
・シャットダウン時にはsystem clock⇒hw clock
NTPに関するコマンド
ntpdateコマンド(NTPサーバーと同期)
コマンド詳細
https://webkaru.net/linux/ntpdate-command/
補足
・NTPサーバとの同期をするにはroot権限が必要
・「-qオプション」でシステム時刻が正しいか確認する NTPサーバに問合せのみ行い、設定はしない
NTPサーバの設定
/etc/ntp.conf(NTPサーバーの設定)
補足
・serverに外部のNTPサーバを指定する
・内部のNTPデーモンを外部NTPサーバのスタブに設定するにもserverにて設定する
SysVinitでNTPサーバの起動
systemdでNTPサーバの起動
pool.ntp.orgについて
pool.ntp.orgプロジェクトがNTPサーバを提供している。
「0.asia.pool.ntp.org」と記載するとNTPサーバのIPが返ってくる
(108.2)システムのログ
ログ収集ソフトウェアの種類
・syslog,rsyslog,syslog-ng,systemd journalがある
・rsyslog.confはsyslog.confと後方互換性あり
・syslog-ng.confはsyslog.confと後方互換性なし
・systemd-journaldはROM/RAMにバイナリ形式でログを保存
・systemd-journaldはsyslogプロトコル互換のインタフェースあり、rsyslogへも転送可能
ログに関するファイル
/etc/syslog.conf(syslogの設定ファイル)
この設定ファイルによってsyslogdデーモンのログメッセージの出力先を設定する
ファシリティ
ファシリティはメッセージの出力先
「*」を使うとすべてのファシリティを示す
・auth:認証
・cron:cron
・deamon:各種デーモン
・kern:カーネル
・syslog:syslog
プライオリティ
メッセージの優先度
プライオリティが低いログの方が多い
「*」を使うとすべてのプライオリティを示す
出力先
・ファイルやリモートホスト、コンソール、ユーザ端末に対して出力することができる
・出力先を「@ホスト名」とすればリモートホストにも送ることができる
・「*」とすると、すべてのユーザ端末にメッセージを出力する意味
・(「*」はすべてのログファイルに出力するという意味ではないことに注意)
補足
・ファシリティ.プライオリティを複数指定したい場合は以下
/etc/rsyslog.conf(rsyslogの設定ファイル)
書式は「syslog.conf」ファイルと同じなためそちらを参照
ただし、「syslog.conf」とは以下の点が異なる
・ログ転送にTCP、SSL/TLS利用可能
・ログをDBに保存可能
・ログに対してフィルタ処理が可能
など
/etc/logrotate.confファイル(ログローテーションの設定)
古くなったログを分けて保存、バックアップログの保存期間などを設定するファイル
各種ログファイル
補足
・kernelやデーモンからのメッセージなどシステムのメッセージを全般を記録するのは「/var/log/messages」
ログに関するコマンド
loggerコマンド(ログメッセージを生成)
コマンド詳細
https://qiita.com/mykysyk@github/items/e5398bc8262d35f4a1b9
tail -fコマンド(ファイルを順次表示)
補足
・テキストを表示するコマンドならどれでもログファイルを確認できる
journalctlコマンド(systemdのログ表示)
コマンド詳細
http://www.server-memo.net/centos-settings/journald/journald.html
補足
・ログの表示する日時の指定可能
・特定のプライオリティのみの表示も可能
・特定のファシリティのみ表示することも可能
・syslogdやrsyslogdが収集したログを表示することはできない
(108.3)メール転送エージェント(MTA)の基本
MTAの起動方法
MTA(Message Transfer Agent)は電子メールを宛先に送るためのアルゴリズム
MTAはSMTPプロトコルを利用する
SMTPサーバとしてはsendmail,Postfix,qmail,eximなどがある
メールに関する仕組みとして、その他に「MDA」、「MUA」がある。
MDAは受信メールをメールサーバへ送信するプロトコル
MUAはユーザのメール送受信プロトコル
(代表的なMUAとしてCUIのmailx,mutt、GUIのEvolution,Thunderbird)
SysVinitでMTAの起動方法
systemdでMTAの起動方法
メール送受信に関するコマンド
mail 宛先アドレス コマンド(メールを送信)
mailコマンド(受信メールを確認)
補足
・受信メールの一覧が表示され、特定メールを指定すると詳細内容まで確認できる
mailqコマンド(送信待ちキューの表示)
コマンド詳細
http://kazmax.zpp.jp/cmd/m/mailq.1.html
sendmailコマンド(メールを送信)
コマンド詳細
http://kazmax.zpp.jp/cmd/s/sendmail.8.html
補足
・Postfix,Exam,Sendmailに対応している
メール転送方法
メール転送方法は2つある
1./etc/aliasesファイル(エイリアス)を設定
2..forwardファイルを設定
/etc/aliasesファイル(エイリアス)を設定
・/etc/aliasesファイルを書き換えることで転送先に指定することができる
・設定を有効にするには「newaliasesコマンド」を実行する必要あり
.forwardファイルを設定
・各ユーザのホームディレクトリに.forwardファイルを作成する
(108.4)プリンタと印刷の管理
CUPSとは
多様なプリンタやファイル形式に対して標準的なインタフェースによりモジュール化されている印刷システム
2種類の方式がある
1.PostScriptプリンタ
PPDでプリンタで要求
2.非PostScriptプリンタ
プリンタ形式に合わせたドライバインストール必要
印刷に関するファイル
印刷に関するファイルは「/etc/cups/ディレクトリ」に格納される
PPD(プリンタの機種依存情報)ファイル
・/etc/cups/ppdファイル
・PPDは「Postscript Printer Description」の略
・PPDにはフォントや用紙サイズ、解像度などのプリンタへの設定情報を記述
・GhostscriptはPostScript言語のインタプリタ
CUPSの設定ファイル
・/etc/cups/cups.confファイル
プリンタに関する情報
・/etc/cups/printers.confファイル
・DeviceURLで指定されたプリンタに送られる
ポートやアクセス制御の設定
・/etc/cups/cupsd.confファイル
複数のプリンタをまとめたプリンタクラスの設定
・/etc/cups/classes.confファイル
印刷に関するコマンド
プリンタの登録・削除
「lpadminコマンド」
プリンタに印刷要求
「lprコマンド」、「lpコマンド」
プリンタのキューを表示するコマンド
「lpstateコマンド」、「lpqコマンド」、「lpcコマンド」
印刷要求のキャンセル
「lprmコマンド」
プリンタの状態制御
・停止状態へ
「cupsdisableコマンド」
「-c」ですべてのジョブをキャンセル
・印刷要求を受け付けないようにする
「cupsrejectコマンド」
・印刷要求を受け付けるようにする
「cupsacceptコマンド」
lpadminコマンド(プリンタの登録、削除)
コマンド詳細
https://linuxjm.osdn.jp/html/cups/man8/lpadmin.8.html
補足
・「-pオプション」:プリンタの指定
・「-vオプション」:デバイスURI指定
・「-Pオプション」:PPDファイル指定
lprコマンド(プリンタで印刷)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230818/
補足
・「lp -n印刷枚数」でも印刷枚数を指定して印刷要求を出す
・「lp -d プリンタ名」でもプリンタを指定して印刷要求を出せる
・「-P」オプションでプリンタを指定しないと、デフォルトプリンタで印刷
lpstatコマンド(印刷ステータスを確認)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/230520/090800012/
補足
・「-aオプション」:受け付け状態か(accept状態)を表示する
・「-tオプション」:すべてのステータス情報を表示する
・「-pオプション」:印刷可能状態か(enable状態)どうかを表示する
lpqコマンド(印刷ジョブを確認)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230817/
lpcコマンド(プリンタを制御する)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230815/
補足
・コマンドにはstartやstatus、stopなどがある
・「lpc status all」のように使う
・引数なしで実行すると対話形式で実行
lprmコマンド(印刷ジョブを削除)
コマンド詳細
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060227/230819/
補足
「-」オプションで全印刷ジョブを削除する
関連するページ
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